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2022.11.02
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研削加工とは?加工の特徴や種類、メリットについてご紹介

研削加工

加工物の表面を削って成形する加工方法が金属加工には複数ありますが、研削加工もその内のひとつです。
本記事では、研削加工とはどのような加工なのか、加工の特徴や加工・加工機の種類、またメリットやデメリットなど、研削加工の基礎知識を幅広くご紹介します。

 

研削加工とは?

研削加工(けんさくかこう)とは、除去加工の一種で、材料の表面に高速回転させた砥石を当てて削っていく加工方法です。砥粒と呼ばれる硬くて小さい粒のひとつひとつが刃となっており、素材もダイヤモンドや炭化ケイ素といった高い硬度のものが用いられているため、硬い加工物もきれいに削ることができます。

 

研削加工の特徴

研削加工の特徴は寸法精度が高いことが挙げられます。
切断したり、大きく削り取ったりするような加工方法に比べて、加工時間が必要になりますが、高精度な加工が可能なため、仕上げ処理に用いられることもあります。例えば、切削加工などの他の加工である程度までの加工を行い、研削加工で成形していくといった工程が挙げられます。

 

研削加工の種類

研削加工の種類とその特徴についてご紹介します。

平面研削

平研(ひらけん、へいけん)とも呼ばれる平面研削は、研削加工の中で良く用いられる加工方法で、加工物の平面を削ります。加工物をテーブルに固定し、高速回転させた砥石を上から押し当てて平面にしていきますが、加工時は加工物を移動させて目的の形状に整えます。

内面研削

内面研削は加工物の内面を削る加工方法で、加工物を回転させつつ、砥石も逆方向に回転させて、対象箇所に砥石を当てて加工していきます。加工物が大きい場合や回転させることが難しい場合は、加工物は回転させずに加工するプラネタリ形と呼ばれる方法を用いることもあります。

円筒研削

筒状の加工物の表面を削る際に用いられる円筒研削は、加工物と砥石の両方を同じ方向に回転させた状態で、砥石を当てて加工していきます。円筒状の加工物の外側を加工する際に用いられる加工方法で、寸法精度が高いことが特徴です。

センタレス研削

円筒研削と同じで、円筒状の加工物の外側を加工する際にセンタレス研削が用いられます。固定されたブレードと呼ばれる支持刃とコントローラと呼ばれる円筒状の調整車、砥石の3点で加工物を支持して、円筒状の加工物の外側を加工していきます。加工物を完全に固定する訳ではなく、均等に支えることから、均一に仕上げることができるのがセンタレス研削の特徴です。

 

研磨や切削との違い

研削加工

研磨加工や切削加工も研削加工と同じで除去加工に分類されますが、それぞれの加工方法には異なった特徴があります。研削加工は複数の小さく硬い砥粒で削っていきますが、切削加工は加工物に食い込むように削り取るため、研削加工よりも大きく削り取ることができるといった違いがあります。
また、研磨加工は研削加工と同じで削り取る加工も可能ですが、大きな違いは表面を磨いてつやを出すことが目的であることです。しかし、狭義の意味では削り落とすことを「研削加工」、仕上げ工程として磨いてつや出しすることを「研磨加工」として区別する場合もあるため注意しましょう。

研磨加工について下記ページにて、詳しくまとめていますのであわせてご参考ください。
研磨加工の基礎知識│種類や手順について解説(https://www.agency-assist.co.jp/column/717/

 

研削加工のメリットやデメリット

研削加工のメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。

研削加工のメリット

研削加工は小さくて硬い砥粒が当たることで削る加工方法であるため、大きく削ることは苦手としていますが、その反面、精度の高い加工が得意といったメリットがあります。
小さな砥粒で少しずつ削ることで、なめらかな表面に加工することができます。また、ダイヤモンドや炭化ケイ素といった硬い素材を用いているため、硬くて加工が困難と言われている金属を加工できることもメリットと言えるでしょう。

研削加工のデメリット

少しずつ削ることが研削加工の良い点ではありますが、大きく削ることができないのはデメリットとも言えます。それぞれの加工方法の特徴を活かせるように、目的にあった加工方法を選ぶようにしましょう。また、加工物と砥石の摩擦により熱を持ちやすいため、研削焼けには注意が必要です。

 

研削加工の加工機の種類

研削加工の加工機は、「平面研削盤」「内面研削盤」「円筒研削盤」の3種類です。平面研削盤は、平面研削を行う際に用いられる加工機です。

加工機 加工用途 種類 特徴
平面研削盤 平面研削  — 砥石の方向:たて軸形、よこ軸形の2種類
テーブルの種類:角形と丸形の2種類
内面研削盤 内面研削 普通形 加工物を回転させ、砥石も逆方向に回転させて加工する
内面研削盤 内面研削 プラネタリ形 加工物は回転させずに、砥石のみを回転させて加工する
円筒研削盤 円筒研削  — 砥石と加工物を同時に高速回転させて加工する

 

おわりに

本記事では、研削加工とはどのような加工なのかをはじめ、研削加工の基礎知識について幅広くご紹介しました。
除去加工の一種である研削加工は、高速回転させた砥石を材料の表面に当てて削っていく加工方法です。
研削加工は大きく削る加工を苦手としますが、精度を求められる加工に向いています。
また、「平面研削」「内面研削」「円筒研削」「センタレス研削」などの種類があるため、それぞれの特徴もしっかりと覚えておき、適切な加工方法を選定しましょう。

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