私たちの身の回りには、電気製品やスポーツ用品、調理器具、自動車など、多くのチタン製品が溢れています。
部品や製品によって使用するチタンの材質は様々で、各材質・種類によって特性や用途があります。
今回の記事では、チタンについてご紹介します。
チタンとは、元素記号「Ti」で表される、銀灰色の金属です。
1790年に金属元素としてイギリスで発見され、鉄や銅などと比べて比較的に新しい金属です。
1910年にアメリカにて純度99.9%のチタン抽出に成功し、1946年頃に実用化されました。
様々な分野で活用されているチタンは、軽量・高強度・高耐食性・高耐熱性などの特徴があります。
ここでは、チタンの主な特徴について説明します。
チタンの比重は純チタンが4.51、チタン合金が4.8です。アルミニウム(2.7)やマグネシウム(1.7)より重たいですが、強度と耐食性ではアルミニウムより優れています。そのため、航空宇宙分野や自動車分野など様々な分野で使われています。
チタンは強度が高い金属としても有名です。重さ当たりでは、鉄の約2倍、アルミニウムの約3倍です。
また、バネのような特性もあり、衝撃に耐えることができます。
チタンの素材の表面は自然に生成する酸化被膜=TiO2で覆われているため、錆にくいという大きな特徴があります。特に海水に強く、鉄や銅などの主要金属より優れています。そのため、潜水艦や海上建造物などの素材として重宝されています。
鉄が約1530度、銅が約1080度、アルミニウムが約660度に対し、チタンは1660度まで耐えることができ、耐熱性に優れています。
チタンは人体に安全で、生体適合性を有するという特徴があります。チタンの表面は酸化被膜で覆われていて、汗などでアレルギーの原因となる金属イオンが溶け出すことがないため、他の金属と比較して金属アレルギーが起こりにくいと言われています。
チタンは大きく分けて「純チタン」と「チタン合金」の2種類があります。
それぞれ共通している性質と異なる性質があり、用途に合わせて使い分ける必要があります。
ここでは、チタンの種類について説明します。
種類 | 規格 | 特徴 |
---|---|---|
純チタン | JIS 1種 | 純度が4種類中で1番高く、加工性に優れている。 |
JIS 2種 | 最も一般的に使用されている。 加工性・耐食性が良く、バランスに優れている。 |
|
JIS 3種 | 強度が高く、耐食性に優れている。 | |
JIS 4種 | 強度が4種類中で最も高いが、加工性が1番劣っている。 | |
チタン合金 | α 型合金 | 耐食性に優れているが、加工性は劣っている。 |
β 型合金 | 高強度かつ加工性も優れており、様々な用途に使用されている。 | |
α +β型合金 | 強度や耐食性が良く、加工性も優れている。 |
今回の記事では、チタンの特徴と種類についてご紹介しました。
チタンは軽量、高強度、高耐食性の他に、低熱伝導率、低電気伝導率、低膨張率、不燃性などの特性もあり、優れた性質の金属素材として幅広く使用されています。
近年では航空宇宙分野や化学、電力、建築など様々な分野で使われるようになりました。
一方、加工が難しく、他の金属と比較して加工方法が限定されています。
以下のカタログでは、
チタンの歴史や、特徴と材質、代表的な加工方法と注意点について詳しく解説しています。
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