
旋盤加工は丸物の削り出しに用いられる加工方法です。金属、プラスチックと材料を限定せず、また、業界も問わない為、試作開発の部品製作において、主要な加工方法と言えます。
しかし旋盤は「価格がどう決まっているのか分かりにくい」と調達を担当される方も課題感をお持ちかもしれません。コストが見えにくいと、予算管理や業者選定にも影響が出てしまいます。
ここでは、旋盤加工の料金に影響する主な要素、そして各要素が価格にどう関係するのかを詳しく解説します。さらに、無理なくコストを抑えるための工夫や業者選びのポイントも紹介します。
旋盤加工とは、加工対象となる材料を固定して回転させながら、切削工具を押し当て外周を削ったり、穴をあけたりする加工方法です。旋盤加工では固定した材料自体が回転することから、円筒状の加工部品の生産に適しています。
旋盤加工の主な特徴は、以下の通りです。
・高精度の加工を実現しやすい
・多種多様な素材に対応できる
・小ロットの注文に対応しやすい
旋盤加工においてプログラミングで切削工具の動きを制御する場合、「NC旋盤」を操作します。旋盤加工は約0.001mm単位の高精度な加工も実現できるうえ、多種多様な金属・樹脂の加工に対応できるため、自動車部品から精密機器まで、幅広い分野の製品の製造が可能です。
旋盤加工の料金は材料費・加工時間をもとに構成され、精度・公差・納期などに応じて決まります。
材料の種類/ミルシートの有無
アルミ合金、黄銅といった調達コストの高い材料や、チタンのような難削材料を選択した場合にコストが掛かりやすいです。反対に、鉄鋼、ステンレスなどは比較的調達コストが安く、コストを抑えやすい材料です。
一部の業者では、材料の持ち込みにも対応します。自社で所有する材料を持ち込めば材料費の負担を軽減できる可能性がある一方、手数料がかかるケースもある点に注意が必要です。
加工時間の長短
長時間作業が発生する難易度の高い加工では、より多くの人件費がかかるためです。たとえば、角を丸く仕上げる「R面加工」は45度に仕上げる「C面加工」と比較して難易度が高く、人件費を上乗せした料金を請求される可能性があります。
精度が厳しい加工では加工機を停め、都度、精度が出ているかノギスなどで測ります。同じ部分を削る為に複数回、稼働させる必要があることもあり、時間を要します。加工機を複数回稼働すれば、工数が掛かるだけでなくより多くの光熱費がかかり、切削油の消費量も増加するため、料金の相場は高くなります。
寸法公差・角度・幾何公差などの精度
たとえば、0.3mmまでサイズの誤差が許容される部品と0.01mmまでしか許容されない部品では上述のように作業工数が変化し、加工費に影響することが理由です。
そもそも、極めて高度な加工精度が要求される精密加工はすべての業者に依頼できるとは限りません。依頼先の選択肢が限定されれば、割高な料金を提示される可能性もあります。
旋盤加工では一般的に同一仕様の製品をまとまったロットで発注するほど加工単価が低下して、コストパフォーマンスは向上します。
NC旋盤を活用すれば、1回のプログラムで同一仕様の製品を量産し、1製品あたりの加工費を抑制できることが理由です。反対に少量多品種の発注を行った場合はプログラムを何通りも作成し、段取りする手間が発生するため、コストパフォーマンスは低下します。
汎用旋盤で製作するとプログラムは不要な分、加工者の技術に依存するため、加工できる依頼先が限られてしまいます。
納期の長さ
特急加工が必要な短納期の案件では基本料金に追加料金を上乗せした金額を提示されるケースが多いです。これは、受注した業者がスケジュール調整や時間外作業を行って優先対応する必要があるためです。
反対に余裕のある納期の案件の場合は、生産効率を意識したスケジュールを立て、計画的に作業できます。仕様によっては海外の協力会社に加工工程を外注し、人件費を抑えることも可能です。そのため、余裕のある納期を設定するほど一般的に、料金の相場は安くなります。
表面処理や2次工程の有無
表面処理とは、材料の表面に特殊な処理を実施し、強度や耐性の向上もしくは美観の改善を図ることです。以下は、旋盤加工で採用できる表面処理などの代表例を示します。
・メッキ
・化成処理
・アルマイト処理
・塗装
・ブラスト
・研磨
・バフ
上記のいずれを実施する場合も加工費はかさむため、料金の相場は高くなります。
旋盤加工の料金は設計の最適化や材料選びの工夫を行い、相談・交渉することで、適正価格にすることが出来ます。
ここからは、旋盤加工の料金を抑えるためのポイントをより詳細に解説します。
設計段階で加工精度の要求を見直し、可能であれば緩和して最適化すると、コストカットが可能です。
寸法精度や形状精度に厳しい基準を設定する理由がない場合には個別の指示を削除し、標準的な規格を採用しましょう。個別の指示がない場合には通常、一般公差が適用されるため、一定レベルの品質は担保されます。
ただし、加工内容によっては厳格な個別指示を行うことが望ましいケースもあることから、使い分けは必要です。設計段階で加工精度の必要度合いをよく考え、最適化を図ることが、料金を抑制しつつ高品質な仕上がりを期待するためのコツです。
製品の性能に支障が出ない範囲で調達コストと加工費の低い材料に変更すると、料金の抑制が可能です。
材料の調達コストは希少性の影響を受け、当然レアメタルや難削材を選択すると料金はかさみます。加工費は多くの場合、強度と硬度に比例するため、要求性能とのバランスを考慮した選択が必要です。
材料選びに迷う場合は、見積りを行う際、業者に相談する方法があります。業者のアドバイスを受けてコストパフォーマンスの良い材料を選択できれば、高品質な仕上がりを低料金で実現が可能です。
複数のパーツを組み合わせた構成の設計は部品点数を削減し、一体化した設計を採用すると、加工費や組み立てコストを削減できます。
部品点数を削減すると公差が生じにくくなるため、同程度もしくはより低コストで高精度の製品を製造しやすくなる点もメリットです。
製品によっては部品点数を削減する方法でなく加工方法自体を変更し、溶接などの代替手段を活用し、コストカットを図る方法もあります。加工方法の選択に迷う場合も業者に相談し、アドバイスを受けると安心です。
旋盤加工を発注する際には複数業者に見積りを依頼し、提案内容を比較して、コストパフォーマンスの良い依頼先を選定しましょう。
同一内容の依頼であっても業者によって、料金や納期は異なります。複数の業者から提案を受け、相場を把握した上で交渉すると、料金の調整もスムーズです。
ただし、業者の良し悪しを料金のみで判断すると、仕上がりに影響するリスクもあります。信頼度の高い業者を選定するためには製造実績や対応にも注目し、技術力を見極めてください。
旋盤加工の料金は、材料費や加工時間、精度・公差、数量、納期、表面処理といった複数の要素によって決まります。それぞれの要素は部品の仕様や用途に大きく左右されるため、コストに関する理解を深めることは、余計なコストを防ぐ上で非常に重要です。また、材料選びの工夫や、部品点数の削減など、設計段階での工夫によってもコストは抑えられます。
エージェンシーアシストは、加工部品調達・計測サービス・マシナリー製作という3つのサービスを通じて、ものづくりの現場を専門的に支援しております。旋盤加工に関するご相談やお見積りも承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
30年以上の調達実績があるエージェンシーアシストでは1000社を超える協力企業数で、多品種部品を一括手配していただけます。
フライス・旋盤など多品種対応できるエージェンシーアシストの加工技術一覧はこちら
エージェンシーアシストは、材料の手配から加工、表面処理まで含めて一社購買で調達します。
部品1個からの多品種小ロットで対応可能です。
さらに、社内の品質管理部門で検査済みの製品をお届けします。
見積り依頼は図面を送るだけで完了!お気軽にご相談ください。
最新記事
人気記事