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公開日: 2025.08.07
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旋盤加工の料金の決まり方|料金を抑える方法も解説

旋盤加工の料金の決まり方|料金を抑える方法も解説

旋盤加工は、金属やプラスチックなどの材料を高精度に加工する上で欠かせない技術です。製造業や試作開発の現場では日常的に使われていますが、「料金がどう決まっているのか分かりにくい」と感じている方も多いのではないでしょうか。コストが見えにくいと、予算管理や業者選定にも影響が出てしまいます。

この記事では、旋盤加工の料金に影響する主な要素や、各要素が価格にどう関係するのかを詳しく解説します。さらに、無理なくコストを抑えるための工夫や業者選びのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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旋盤加工とは?

旋盤加工とは、固定した材料に工具を当てて不要部分を取り除き、狙い通りの形状を実現する、切削加工の一種です。旋盤加工では固定した材料自体を回転させて切削加工を行うことから、円筒状の加工部品の生産に適しています。

旋盤加工の主な特徴は、以下の通りです。

・高精度の加工を実現しやすい
・多種多様な素材に対応できる
・小ロットの注文に対応しやすい

旋盤加工ではプログラミングで切削工具の動きを制御する「NC装置」を操作し、約0.001mm単位の高精度な加工も実現できます。旋盤加工は多種多様な金属・樹脂素材の加工に対応でき、自動車部品から精密機器まで、幅広い分野の製品の製造が可能です。

 

旋盤加工の料金の決まり方

旋盤加工の料金は材料費・加工時間・精度・公差などに応じて変動し、業者ごとのルールに沿って計算される仕組みです。旋盤加工の料金を左右する主な要素や決まり方を確認し、予算の範囲で狙い通りの加工を実現しましょう。

1.材料費

旋盤加工に使用する材料の種類やミルシートの有無は、料金を左右する重要な要素の1つです。アルミ合金、黄銅といった調達コストの高い材料を選択した場合には一般的に、料金がかさみます。チタンのように高硬度の材料を選択した場合も、同様です。反対に、鉄鋼、ステンレス、木材などは比較的調達コストが安く、料金を抑制しやすい材料です。

一部の業者では、材料の持ち込みにも対応します。自社で所有する材料を持ち込めば材料費の負担を軽減できる可能性がある一方、手数料がかかるケースもある点に注意が必要です。

2.加工時間

旋盤加工の料金を計算する際には、加工時間も考慮されます。長時間作業が発生する難易度の高い加工では、より多くの人件費がかかるためです。たとえば、角を丸く仕上げる「R面加工」は45度に仕上げる「C面加工」と比較して難易度が高く、人件費を上乗せした料金を請求される可能性があります。

難易度の高い加工では加工機を複数回稼働させる必要があることも、料金を決定する際に加工時間が考慮される理由です。加工機を複数回稼働すればより多くの光熱費がかかり、切削油の消費量も増加するため、料金の相場は高くなります。

3.精度・公差

寸法公差や角度といった加工精度の指定も、旋盤加工の料金を決定する際に考慮されます。たとえば、0.3mmまでサイズの誤差が許容される製品と0.01mmまでしか許容されない製品では作業工数が変化し、加工費に影響することが理由です。

そもそも、極めて高度な加工精度が要求される精密加工はすべての業者に依頼できるとは限りません。依頼先の選択肢が限定されれば、割高な料金を提示される可能性もあります。

4.数量

旋盤加工では一般的に同一仕様の製品をまとまったロットで発注するほど加工単価が低下して、コストパフォーマンスは向上します。NC旋盤を活用すれば、1回のプログラムで同一仕様の製品を量産し、1製品あたりの加工費を抑制できることが理由です。反対に少量多品種の発注を行った場合はプログラムを何通りも作成し、段取りする手間が発生するため、コストパフォーマンスは低下します。

5.納期

納期の長さも、旋盤加工の料金を左右します。特急加工が必要な短納期の案件では基本料金に追加料金を上乗せした金額を提示されるケースも多く、コストがかさみかねません。これは、受注した業者がスケジュール調整や時間外作業を行って優先対応する必要があるためです。

反対に余裕のある納期の案件の場合は、生産効率を意識したスケジュールを立て、計画的に作業できます。仕様によっては海外の協力会社に加工工程を外注し、人件費を抑えることも可能です。そのため、余裕のある納期を設定するほど一般的に、料金の相場は安くなります。

6.表面処理

表面処理の有無と種類も、料金に影響します。表面処理とは、材料の表面に特殊な処理を実施し、強度や耐性の向上もしくは美観の改善を図ることです。以下は、旋盤加工で採用できる表面処理の代表例を示します。

・メッキ
・化成処理
・アルマイト処理
・塗装
・研磨
・ブラスト

上記のいずれを実施する場合も加工費はかさむため、料金の相場は高くなります。

 

旋盤加工の料金を抑える方法

旋盤加工の料金は設計の最適化や材料選びの工夫を行い、相談・交渉することで、抑制できます。旋盤加工の料金は業者によって異なるため、有利な条件を提示した相手に依頼する方法によって、コストカットが可能です。以下では、旋盤加工の料金を抑えるためのポイントをより詳細に解説します。

1. 設計を最適化する

設計段階で加工精度の要求を見直し、可能であれば緩和して最適化すると、コストカットが可能です。寸法精度や形状精度に厳しい基準を設定する理由がない場合には個別の指示を削除し、標準的な規格を採用しましょう。個別の指示がない場合には通常、一般公差が適用されるため、一定レベルの品質は担保されます。

ただし、加工内容によっては厳格な個別指示を行うことが望ましいケースもあることから、使い分けは必要です。加工精度の要求を緩和すると通常、組み立て後の製品の寸法に誤差が生じるリスクは高まります。設計段階で加工精度の必要度合いをよく考え、最適化を図ることが、料金を抑制しつつ高品質な仕上がりを期待するためのコツです。

2. 材料選びを工夫する

旋盤加工で使用する材料には、さまざまな種類が存在します。製品の性能に支障が出ない範囲で調達コストと加工費の低い材料に変更すると、料金の抑制が可能です。材料の調達コストは希少性の影響を受け、レアメタルや難削材を選択した時、料金はかさみます。加工費は多くの場合、強度と硬度に比例するため、要求性能とのバランスを考慮した選択が必要です。

材料選びに迷う場合は、見積りを行う際、業者に相談する方法があります。業者のアドバイスを受けてコストパフォーマンスの良い材料を選択できれば、高品質な仕上がりを低料金で実現が可能です。

3. 部品点数を減らす

複数のパーツを組み合わせて生産する設計の製品は部品点数を削減し、一体化した設計を採用すると、加工費や組み立てコストを削減できます。部品点数を削減すると公差が生じにくくなるため、同程度もしくはより低コストで高精度の製品を製造しやすくなる点もメリットです。

製品によっては部品点数を削減する方法でなく加工方法自体を変更し、溶接などの代替手段を活用し、コストカットを図る方法もあります。加工方法の選択に迷う場合も業者に相談し、アドバイスを受けると安心です。

4. 適切な業者を選ぶ

旋盤加工を発注する際には複数業者に見積りを依頼し、提案内容を比較して、コストパフォーマンスの良い依頼先を選定しましょう。同一内容の依頼であっても業者によって、料金や納期は異なります。複数の業者から提案を受け、相場を把握した上で交渉すると、料金の調整もスムーズです。

ただし、業者の良し悪しを料金のみで判断すると、仕上がりに影響するリスクもあります。信頼度の高い業者を選定するためには製造実績や対応にも注目し、技術力を見極めてください。

 

まとめ

旋盤加工の料金は、材料費や加工時間、精度・公差、数量、納期、表面処理といった複数の要素によって決まります。それぞれの要素は製品の仕様や用途に大きく左右されるため、コストに関する理解を深めることは、無駄な出費を防ぐ上で非常に重要です。また、材料選びの工夫や、部品点数の削減など、設計段階での工夫によってもコストは抑えられます。

エージェンシーアシストは、加工部品調達・計測サービス・マシナリー製作という3つのサービスを通じて、ものづくりの現場を専門的に支援しております。旋盤加工に関するご相談やお見積りも承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 
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